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2018年 04月 24日

サラリーマン時代の思い出③この仕事への疑問

 昨年末に国立大学での講義の際に、私の会社の創業について話してほしいという依頼(創業論)をいただきました。そんなきっかけもあり、改めて自分が仕事をやってきたことについて、シリーズ的に取り上げています。

 企業の担当者へ切り込みヒアリングしていく産業調査の仕事をやっていくなかで、大変な案件もあったのですが、何とかこなしてきました。

 しかし、その一方で、結局この仕事の成功要因は、その時に知り合った人脈や探り当てた情報といった「たまたま」なことの積み重ねなのではないか?と思うようになりました。

 もちろん、それでもお客様に満足いただけているので、問題はないのです。しかし、個人的にはそんな「もやもや感」を抱えていました

 例えば、会計士はいつどういった時にでも会社の経理について、専門的な会計知識からアドバイスします。また、運転手についても、乗車したら、その運転技術で目的地まできちんと運んでくれます。

 しかし、当時の私には、そういう自分の内部から提供できる確たる価値がないのではないか、もっと言えば結局、成功するか否かは「度胸と勘」しかないような。

 そんな時、知り合ったのがコンサルティングをやっている友人でした。年齢が一緒で、何回か遊ぶうちに、仕事の話になり、彼のやっている世界を知ることになったのです。

 彼に色々相談をするのですが、すると頭の中に色々な引出しを持っているのです。テーマによって、そこからいろいろなフレームワークを持ってきて、分かりやすく解決策を提示してくれます。そのレシピの素晴らしさとコミュニケーション力に感服し、こういう人がプロフェッショナルなんじゃないかと思いました。

 人にはいろいろな人を見ても、感じ方はそれぞれだと思います。例えば、私はいま述べたような人をみて凄いなと思うのですが、別の人は、営業成績トップの人が凄いというかもしれません。

 私の場合、営業成績トップの人は、それなりに凄いとは思いますが、別に憧れの対象ではありませんでした。

 そのコンサルの友人との出会いをきっかけに、自分の仕事で同じような価値を提供するってどういうことなんだろうと考え始めるようになりました。イメージに近い人が社内にいないかと探したりもしたのですが、いませんでした。

 多分、今も大きくは変わっていないと思うのですが、結局この業界が産業化されていないことが、大きな理由ではないかと。それは、単純に優秀な人が集まりにくかったり、市場の伸びがなかったり、企業規模が小さかったりなどなど、挙げればキリがないのですが、コンサルティングサービスと同じような戦後の新興業界でありながら、未だにクライアントの企業活動にきちんとビルトインできていないからではないかと思うのです。

 そんなことを日々思いながらも、案件はどんどんやってきます。能書きはいいから仕事をやれと、当時の上司にはよく言われました。


by hironori-amano | 2018-04-24 18:12 | 創業論


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